お運びをいただきまして厚く御礼申し上げます。
気候もだんだんと夏めいてまいりました。
そこで今回は、落語にも欠かせない「扇子」のお話です。
落語で使う小道具と言えば「扇子」と「手拭い」ですね。
落語家は扇子のことを「カゼ」と言うそうですが、その役割は風を起こすことにとどまらず、噺の中の色々な仕草をするのを助ける「見立て道具」として用いられています。
- そばをたぐる「箸」
- たばこを吸う「キセル」
- 手紙を書く「筆」
などなど、さまざまな物に変身し、描写に彩りを添えてくれるのです。
じつはこの扇子、普通の扇子とはちょっと違い、「高座扇子」と呼ばれています。
このような物です。
普通の扇子と比べて骨がしっかりしていることがお分かりでしょうか。
親骨は普通の物より太く、先端に向かって太くなっています。
高座扇子は7寸5分(22.5cm)というサイズ、15本の骨で、骨と骨の間が空いています。
紙の色はたいてい白かベージュ。絵柄はあっても少しだけです。
なんと無駄のない、美しい形なのでしょう。
この「高座扇子」はとても頑丈で、開け閉めに少し力が要りますが、
閉じた時の「パチンッ」という音といったら
もう、たまりません。
落語ファンなら、ぜひ手に入れたい逸品ではないでしょうか。
それほど高くないので、扇子と手拭いを買って落語家気分を味わうのも良いでしょう。
手に入れますと、とにかく触っていたくなります。
夏にこの高座扇子であおげば、
落語家になったような優越感
を抱けること請け合い。
友達と話す時にも、ついつい扇子を手にしておしゃべりしたくなってしまいます。
ただし周りの人からみて、
あまりカッコ良くはない。
という悲しい現実も。
いかにも落語家かぶれという感じが出てしまうんですねぇ。
たまにいますよね?中学生ぐらいでも大人ぶっていつも扇子を持っている子。
そう、あの感じです^^;
そこでおすすめするのが、「江戸扇子」。
江戸扇子とは簡単に言えば、
高座扇子に絵柄が入った物
です。
たとえばこんなデザインの扇子があります。
サイズや骨などの形は同じですが、粋な柄が入っているんですね。
もっとも、江戸扇子と言っても幅が広く、いろいろな形があります。
すでにご紹介したような扇子の他にも、踊り用の扇子や茶扇子、飾り扇子などがあるんですね。
というわけで、ここまで高座扇子ありきで話してきてしまいましたが、
そもそも高座扇子とは、数ある江戸扇子の一種
と言った方が正確ですね。
この江戸扇子、大変にセンスが良いので ←( ゚Д゚)
夏にオフィスで、あるいは外回りの際にカバンからスッと出してあおげば、
おっ、やるな。
と思われること必至。
クールビズを粋に演出する江戸扇子は、大人のたしなみとしてもおすすめです。
とはいえやはり、使い過ぎは禁物。
お気に入りだからと言っていつもいつも扇子を手に持っていると、
結局、大人ぶった中学生。
あくまでさりげなく、さりげなくです。
本格的な夏がやってくる前に、1本いかがですか?
注)本当の江戸扇子は、東京の職人さんが一本一本手作りしたものを言います。
Amazon等では、江戸扇子”風”の扇子も多数出品されているので、ご注意ください。