お運びで、厚く御礼申し上げます。

前回から、寄席の一日の流れをお話ししております。
「仲入り」までいきましたので、今日はその続きからです。

一気にラストまで行きますね。
これが寄席のクライマックスです!
それではまいりましょう!

⑤ くいつき

「仲入り」という休憩時間が終わると、お囃子が始まり、またどん帳が上がります。
この仲入り直後の高座を「くいつき」と呼ぶんですね。

休憩でひと段落したお客さんを高座に食いつかせるためこう呼ぶのか、
はたまた休憩後でまだお弁当を食べているお客さんがいるからなのか、
由来は定かではないようです。

せっかくなので、

お弁当に食いつきながら、高座にも食いつきましょう。

この「くいつき」の高座は、ひと息ついたお客さんを再び高座に集中させる役割を持つため、たいていは元気の良い芸風の落語家が上がります。
また、その日の主任(トリ)を務める落語家の弟子や、同門の落語家が上がることが多いようです。

⑥ 落語や色物

続いてさらに落語や色物が出てきます。
寄席もクライマックスに向かっていますので、このあたりに出てくる落語家はみんな実力派揃いですよ。

ここで私のおすすめする色物さんをもう一組。

すず風 にゃん子・金魚先生です。

ベテランの女性漫才師のお二人、インパクト抜群です。
出てきただけで笑えます。
そして漫才もかなりレベルが高い上に、

金魚先生のゴリラのものまねが絶品です。

ゴリラのクダリになる時、気の利いたお客さんが舞台まで歩いていってバナナを差し出す事があります。
出演するのを前もって知っていて、用意してきているんでしょうねぇ。

金魚先生はそのバナナを、ちゃんとゴリラっぽく食べてくれます。
ハッキリ言って、ゴリラよりもゴリラらしいです。

そうです、これこそが寄席の魅力なのです。

⑦ ひざ前

主任(トリ)の直前の高座を「ひざ代わり」と呼びます。
そしてその前が「ひざ前」という出番になります。

長時間にわたって落語を聴いてきたお客さんを飽きさせず、なおかつトリを引き立てる渋い役回り。
ですからこの「ひざ前」には、経験を積んだ落語家が上がることが多いですね。

しかし時には、ひざ前に上がった落語家があえて本気で客席を笑わせにかかり、トリにプレッシャーを掛けるという演出があることも!
このあたりの流れも見逃せません。

⑧ ひざ代わり

トリの直前の高座が「ひざ代わり」色物が担当します。

ここも本当に難しい出番と言えるでしょう。
お客さんをリフレッシュさせつつ、ある程度笑いも取り、トリへの期待を高めます。
また、トリが十分時間を使えるために時間調整をすることも求められています。

ですから、落ち着いた経験ある色物さんが上がることが多いですね。

ちなみに、すず風 にゃん子・金魚師匠がこの出番で上がったという話は、

聞いたためしがありません。

円熟してますが、芸風でしょうか^m^

⑨ 主任(トリ)

いよいよ寄席の主役、主任(トリ)の登場です!

トリだけは、持ち時間が30分ほど与えられており、長い噺をすることができます。
ここまで3時間以上かけて積み上げてきたものを、トリが鮮やかにまとめてくれるんですね。

実際のところ寄席に行くということは、その日のトリの噺を聴くために行くと言っても過言ではありません。
それぐらいトリは重要ですし、落語家たちもそう認識しています。

一日の締めくくりとして、心ゆくまで楽しみましょう!

まとめ

寄席の流れをざっと見てきました。

たくさんの芸人さんが出てきますが、格別に重要な出番がトリ、次いで仲入り前・ひざ前ということになりますね。
ですからそのあたりの顔付け(出演者)をチェックして出掛けると良いでしょう。

今後は、寄席の補足情報や、私の寄席デビューの経験談をお届けしていきます。