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このサイトをご覧になっている方の中には、落語にハマって数年経っているという方もおられるでしょう。

そこで今日は、落語にある程度通じておられる皆さんにおすすめの書籍をご紹介いたします。
その本がこちらです!

では、この本のおすすめポイントをお伝えしていきます!

筆者は寄席文字の書家、橘左近

なんと言ってもこの本の良さは、筆者が落語界の重鎮、橘左近であることに尽きるでしょう。

橘左近は昭和9年生まれで、寄席文字橘流家元・橘右近に師事し、昭和39年に「左近」の名を許されました。
幼いころから寄席に親しみ、昭和から平成にかけて寄席を誰よりも近くで見てきた存在です。

あの立川談志師匠を「かけがえのない戦友」と呼べるほど、落語界で大きな存在である左近氏。
そんな著者が書いた落語本というところに、大きな価値があるのです。

詳しすぎるほどの落語史

落語の歴史には70ページあまりが割かれています。

落語の起源と言われる戦国時代まで遡り、落語がどのようにして成立してきたのかを詳しく解説。
本来は入門書として書き始められたようですが、ご自身も「かなりマニアックな内容」と述べるとおり、

とても入門書と呼べるレベルではない

ということがすぐに分かります。
ですから、落語入門として1冊目にこれを読むことは、あまりおすすめしません。笑

時代ごとの貴重な写真を織り交ぜながら、テンポよく、そして詳しく歴史を概観できます。
落語協会の分裂騒動などに関しても、そばで見ていたからこそ書ける内容で、歴史的資料としての価値も十分にあると思われます。

この本を読めば、「落語の歴史はひと通り押さえた」と胸を張って言えるでしょう。

おすすめ演目の解説

著者が選んだ50の演目について、あらすじや聴きどころを解説しています。
さらに、橘左近だからこそ書ける、演目ごとのおすすめの落語家も紹介しています。

そしてコラム記事において、上記以外で名作とされる100の演目をリストアップ。
これを読めば、落語全体の中で聴いておくべき合計150の演目を知ることができますね。

今後だれかに「落語の中で傑作と言われる演目は?」と訊かれても、もう困りません。

とても詳しい「落語名人列伝」

本の最後は、昭和時代の名人を一人ひとり写真付きで解説する章です。
これが本当に興味深い!
著者が心から寄席を愛し続けていたことがよく分かる解説です。
とりあげる落語家は幅広く、

  • 三代目 春風亭柳好
  • 三代目 桂三木助
  • 八代目 三笑亭可楽

など、昭和半ばまで活躍した師匠方、

  • 八代目 桂文楽
  • 五代目 古今亭志ん生
  • 六代目 三遊亭円生

といった昭和の名人たち、

  • 三代目 古今亭志ん朝
  • 五代目 柳家小さん

など、平成時代まで活躍した師匠方。

このように、故人となった伝説的落語家たちをしっかり押さえた貴重な資料になっています。

しかも、おもな落語家に関しては一門の師弟系図も収録しており、たいへん参考になります。

まとめ

というわけで、『落語 知れば知るほど』は中~上級者向けの落語本と言って良いでしょう。
ちなみにこの本の出版は2007年でした。

そして、この本を元にして情報を簡略化し、最近の情報を付け加えた本が2014年に出版されました。
それがこちらです。

ですから、「なるべく簡単な方が良い!」という方はこちら、
「せっかく読むならもっと詳しい本が読みたい!」という方は前述の本をお選びください。

さぁあなたは

ライト左近、ヘビー左近、どっち?!

はい。おふざけが過ぎた所で今日はお開きです。
またのお越しをお待ちしております。