お運びさまで、ありがたく御礼申し上げます。

今日は「おすすめの落語家」シリーズ第3弾として、

10代目・柳家小三治師匠をご紹介します。

まずは略歴です。

昭和34年 5代目・小さんに入門
昭和38年 二ツ目に昇進、さん治に改名
昭和44年 17人抜きの抜擢で真打昇進。10代目・柳家小三治を襲名
平成26年 人間国宝に認定

小三治師匠は私にとって、落語を知るきっかけとなった小さん師匠の弟子という特別な存在でございます。
そして、師匠の小さん、上方の桂米朝師匠に続き、落語界で3番目となる

人間国宝認定。

これは本当に嬉しいニュースとなりました。
もっとも、小三治師匠自身は名誉のためではなく、純粋に落語を愛するお方。
人間国宝認定など、

ほとんど興味がない

ご様子でした(^m^)

平成22年~26年の4年間、落語協会の会長としても尽力された小三治師匠。
いまも現役として頑張っておられます。

的確で深い人物描写はさすが先代小さん師匠の弟子というところでしょうか。
芸に対する真摯な態度も素晴らしく、多くの後輩に影響を与えているようです。

たとえば先代小さんの孫でもある花録師匠は自著のなかで、
あるとき変にウケを狙った落語を演じたところ、小三治師匠から

「ただウケたいだけなら落語じゃなくていいだろう」

と助言されたことを書いています。

言い換えれば、ただ爆笑を取れば良いのではなく、ストーリーや人物描写の深さを重んじるようにということ。
この言葉は、花録師匠の落語との向き合い方に大きな影響を与えたそうです。

小三治師匠と言えば、「マクラ」も有名ですね。

「マクラ」とは落語の本題に入る前の小噺や漫談的な部分ですが、小三治師匠のマクラは本当に面白く、「マクラの小三治」の異名を取るほどです。
じつにひょうひょうとした顔で爆笑をさらっていくのが小三治スタイル。

人間国宝となった今、師匠がトリと務める寄席はもはや

別格的な扱い

となっています。
小三治師匠がトリのときには、立ち見客も出るとか。

小三治師匠の得意ネタと言えば、

  • 『初天神』
  • 『うどん屋』
  • 『小言念仏』
  • 『百川』
  • 『芝浜』

などなど。

じつは私、まだ生の小三治師匠を見たことがないのですが、ぜひその伝説的な高座をこの目で見ておきたいものです。

ちなみに「マクラの小三治」のマクラが堪能できる速記本が出版されています。
師匠が高座で話したマクラをそのまま収めた人気の本ですね。
まずはこの本で小三治師匠を味わってみるのもいいかもしれません。

それでは、またのお越しをお待ちしております。