お運びをいただきまして、厚く御礼申し上げます。

今回は私がおすすめする落語家をご紹介したいと思います。
取り上げますのは若手ナンバーワンの呼び声高い

春風亭一之輔師匠でございます。

 

それではまずは略歴です。

平成13年 春風亭一朝に入門。「朝左久」と名乗る。

平成16年 二ツ目に昇進し、「一之輔」に改名

平成24年 21人抜きの抜擢で真打昇進

21人抜きの真打昇進ということからもわかる通り、とても才能のある人です。
二ツ目の頃から、数々の賞を獲ってきてもいます。
しかも、

かなりの男前。

もう人気が出ないわけがありません。

ネットで高座を見たりはしていたのですが、ついに生で聴くときが訪れました。
2015年10月9日(金) 新宿末広亭10月上席(夜の部)でございます。

それまで何度か末広亭には足を運んでいたのですが、この時ばかりは様子が違いました。
平日だというのに随分と席が埋まっていたのですが、仲入りになるとさらに途中入場の波が!
サラリーマン、おじいちゃん、カップル、若い女性のグループなどが、どんどんどんどん入ってきます。

もはや末広亭は異常事態の様相。
仲入り以降は熱気ムンムンで進んでいきました。

そして待ちに待った真打の登場!
「待ってました!」の掛け声が、いくつも上がります。
そして話し出す一之輔師匠。

「いろいろと演りたい噺を考えてくるんですけどねぇ、どうしても先にやられてしまって変えなきゃならないなんてことがしょっちゅうなんですな。
でも皆さんは大人ですから、今日は演りたい噺を演らせてください」

と言って話し出したのは

『初天神』。

・・・・えっ!

会場がどよめきました。

というのも、この夜席の最初に『初天神』はすでに演じられていたのです!
寄席では一日のうちに同じ噺は演らないというのがルールのはず・・・

私もかなり驚きました。
そして「また初天神かぁ。せっかくのトリなんだからほかの噺が聴きたかった・・・」と思いました。
・・・がしかし、その思いは見事に打ち砕かれました!

親子が初天神参りに行き、金坊とお父さんの攻防が繰り広げられるところまでは普通の「初天神」。
しかしその後思いもよらぬ展開に!

なんと団子を何度も蜜ツボに入れられた団子屋が怒って、大岡越前に訴え出てしまいます( ゚Д゚)

親子が喧嘩をしていることも知った大岡様、なぜか金坊と一緒に初天神参りをすることに。
そして団子屋の訴えも親子の仲も見事に解決していく大岡裁き。
意外な展開な上に爆笑に次ぐ爆笑。最後にはほろりとさせられるという、

もはやイリュージョン

のような一席でございました。

もう、本日二席目の「初天神」にガッカリしたのがバカみたい。
一之輔師匠の”たくらみ”に、まんまと掛かってしまったのでありました( *´艸`)

ちなみにこの一席は、「初天神 団子屋政談」というんだそうです。

古典をそのままやっても十分聴かせられるのに、あえて改作までしてしまう師匠の実力に脱帽でした。
こんなに笑ったのは人生初めてというくらい、大満足の高座。
客席はもちろん、なかなか鳴りやまない拍手喝さいでございました。

NHK『プロフェッショナル―仕事の流儀』での密着取材も受けた一之輔師匠。
最近では、同じNHKの『落語ディーパー』という番組でも活躍しておられます。

今後ますます人気が高まることは間違いないでしょう。

「おすすめの落語家」シリーズでは今後も、わたくし七之輔がおすすめする落語家を紹介してまいります。