お運びをいただきまして、厚く御礼申し上げます。
今日は、新作も古典も縦横無尽の万能型の落語家、柳家喬太郎師匠をご紹介します。

前回に引き続き今回も落語評論家テイストでお送りします。


いま最もチケットが取れない落語家の一人である柳家喬太郎は、万能タイプである。
古典落語も巧いが新作落語も名作ぞろい。
滑稽噺では爆笑を起こし、人情噺では涙を誘う。
怪談噺も中途半端にはやらず、心底ゾッとすることがある。

大学時代は落研で活躍。
横浜・山下公園で一人延々と落語を披露したりもした。

師匠のさん喬に入門したのは25歳の時。
入門こそ遅かったが、今となっては押しも押されもせぬ人気者だ。

喬太郎の新作落語の熱狂的なファンは多い。
三遊亭円丈に衝撃を受けた喬太郎は落研時代から精力的に新作落語を作ってきたが、バカバカしいものから泣けるものまでバラエティーに富んだストーリーが魅力だ。

たとえば『ハンバーグができるまで』では別れた夫婦の再会を描く。
基本的にコメディタッチの楽しい話だが、最後は切ない気分にさせられる印象的な噺だ。

古典の腕も間違いない。
『井戸の茶碗』『文七元結』など、師匠のさん喬から教わり大切に演じている演目は多い。
また、噺の途中で登場人物に「やっぱり新作にすればよかった」などと言わせるメタフィクション的な笑いが得意で、古典にも随所に遊び心を覗かせる。

最近ではドラマや映画にも出演し、活躍の幅を広げている喬太郎。
ますます味わいを増すその芸に目が離せなそうにない。


どうですか?
喬太郎師匠に興味を持っていただけましたでしょうか。

ぜひ寄席で師匠の芸に触れてみてください。
きっと一度でファンになってしまいますよ。

喬太郎師匠についてさらに詳しく知りたい方は、以下がおすすめです。