お運びをいただきましてありがとうございます。
前回は、寄席で聴ける演目のジャンルを4つご紹介しました。
今日はその続きです。
それではさっそく、まいりましょう!
⑤ 子どもが出てくる噺
子どもが主役になる噺も、一日の寄席の中で一度は聴くことになるでしょう。
落語に出てくる子どもはみんな賢く、親をやりこめてしまいます。
- 『初天神』
- 『真田小僧』
- 『桃太郎』
このあたりが定番でしょう。寄席でしょっちゅう耳にします。
「初天神」は、年始にお参りに行くという噺なので、1、2月にはとくに頻繁に高座に掛かります。
「金坊、連れて行ってやるけど今日は何も買わないからな?」
「わかったよぉ、お父ちゃん♪」
「楽しいなぁ、初天神(*´▽`*)♪」
「ねぇお父ちゃん?」
「なんだー?」
「今日ぼく何もおねだりしてないねー?」
「そうだなぁ」
「いい子?」
「いい子だなぁ」
「じゃあ、いい子のご褒美に何か買って?(*^^*)」
「また始めやがった!」
という具合です。やっぱり子どもには勝てないですねぇ。
こういった噺はおもしろいだけでなく、子どもと向き合って対話することの大切さも学べますね。
そうです、落語は、親子間のコミュニケーション不足が叫ばれるこの時代に
一石を投じているのです。
いや、まぁ、それほど大げさなものじゃないですね笑
一石というより一席ですし。
⑥ 酒呑み噺
落語には、酔っ払いが登場する噺も多いですね。
落語家が酔っている演技をすると、本当に酔っぱらっているように見えてくるから不思議です。
- 『親子酒』
- 『替り目』
- 『禁酒番屋』
このあたりが多いでしょうか。
たとえば『親子酒』は、酒グセの悪い息子のために、父親が息子といっしょに酒を断つという感動的なストーリー。
しかし結局、二人とも呑んで酔っぱらってしまいます。
父親の酔っぱらっていく様子や、二人それぞれの言い訳が本当におもしろく、また微笑ましくもあるんですね。
呑まないと決めたお酒を呑んでしまうお父さん。
とっても上機嫌な様子が印象的です。
「あー、胃袋が喜んでるよ。来ないかなぁと思ってる所に、『こんばんは♪』って入ってったもんだから、『あらー、どうしたのー!どうぞどうぞ!』って・・・やってるよー(*‘∀‘)」
今度お酒を召し上がる際には、皆さんもぜひ言ってみてください。
きっと楽しいお酒になるでしょう。もしくは、
「え。急にどうした?」
と言われることでしょう。
⑦ 食べ物を食べる噺
落語家の「食べる」仕草も、落語の醍醐味の一つ。
円熟した落語家がやると、本当に物を食べているように見えてくるから不思議です。
同じ食べ物を食べる噺は、ネタが「付く」ので普通は避けられます。
- 『時そば』
- 『そば清』
- 『うどん屋』
このあたりは、みんな麺類です。
他にも、『二番煎じ』『青菜』など、美味しそうに食べる噺は多くあります。
『時そば』は、落語のなかでもっとも有名な演目と言っても良いでしょう。
みんなが知っているネタです。
それでも寄席ではしょっちゅう掛かります。
みんな色んなアレンジを加えておもしろく演っていますね。
このあいだ聴いた『時そば』では、まずい方のそば屋のつゆが、なんだか変わってるなぁと思ったら
ベビースターラーメンで出汁を取っていました。
しかも、食べ終わるころには若干クセになってしまうという笑
(誰の演出かがわかったあなたは、相当な落語通ですね!)
みなさんも、いろいろな『時そば』を楽しんでみてください。
⑧ 武家噺
落語には、お侍さんもときどき登場してきます。
- 『目黒のさんま』
- 『井戸の茶碗』
このあたりが有名ですね。
格式高い話し方や、ちょっとマヌケなお武家さまなどが登場するため、武家噺も楽しいものです。
かの名言「さんまは目黒に限る。」は、いつか使ってみたいものですが、
言うシチュエーションが見つかりません。
さて、今回も落語演目のジャンルを4つご紹介しました。
次回はさらに4つのジャンルを取り上げる予定です。
またのお越しをお待ちしております。